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札幌三井JPビルディング(赤れんが テラス)
屋内緑化工事 ~樹木の「環境馴化」~
2023.04.12
2014年8月28日グランドオープンした札幌三井JPビルディング内にある商業施設「赤れんが テラス」の屋内緑化を日比谷花壇が担当させていただきました。
「赤れんが テラス」は、“新しい感性と出会う、札幌の中庭”をコンセプトに、赤れんが庁舎が一望できる「眺望ギャラリー」や憩いの広場空間「アトリウムテラス」などがあり、都会にいながらも自然を感じられる施設です。
樹木の「環境馴化」
開放的な吹き抜けが印象的な「アトリウムテラス」。
そこに、高さ約6Mの樹木を3本設置致しました。見上げるほどの高木は、空間の広がりを自然と強調し、爽やかで賑わいのある場所を演出します。屋内でありながら、突き抜けた開放感があり、さらには緑から温かみが感じられる空間は、まさに札幌の中庭のシンボルとして、一年中多くのお客様が集い憩える場所です。屋内でこれほど大きな樹木を設置するには、様々な準備が必要です。その一つに、樹木の「馴化」があります。
屋内は、屋外に比べて圧倒的に光の強さが足りません。これは光合成が命の糧である植物にとって、非常に厳しい環境です。樹木のサイズが大きければ大きいほど、その影響も大きくなります。そこで、事前に設置する屋内と同等の暗さに慣れさせておく必要があるのです。これが「馴化」です。
一定期間、環境調節ができるハウス施設内で馴化をさせることで、植物は、生理機能を徐々に変化させます。その結果、屋内での環境に適応できる力を獲得します。もちろん、光だけではなく、植物が生育するために必要な温度・水分条件など様々な環境全てにおいて、同じことが言えます。
今回納品させていただいた樹木についても、独自のノウハウに基づいて施設内で馴化・養生をさせました。
移植後も順調な生育を続けるために
「アトリウムテラス」への設置後、無事に3本の高木に新芽を確認することができました。新芽を吹くことは、新たな環境に適応できた証と言えます。本件に携わった担当者たちは、それを見てはじめてほっと胸をなで下ろします。
本来、植物は大地に根をはり、移動することがありません。しかし、適正な準備をすることで大型樹木の移植・屋内での生育も可能になります。日比谷花壇では、多数の屋内緑化のお手伝いをさせていただいております。植物のプロとして長年蓄積してきた経験・ノウハウを根底に、植物とお客様に真摯に向き合うことを大切にしています。