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札幌三井JPビルディング(赤れんが テラス)
屋内緑化工事~大型樹木の移植~
2023.04.12
札幌三井JPビルディング内にある商業施設「赤れんが テラス」の屋内緑化を日比谷花壇が担当させていただきました。大型樹木の環境馴化についてはご紹介しましたが、今回は、樹木の選定から施設内への搬入についてご紹介します。
札幌の中心地 赤れんが庁舎前に誕生した商業施設「赤れんが テラス」。憩いの広場空間「アトリウムテラス」に、6Mの常緑樹を3本設置させていただきました。開放的な吹き抜けに、緑が心地よい潤いある空間が広がっています。
樹木の選定
「アトリウムテラス」の空間の象徴となる3本の樹木は、お客さまご自身の目で選んでいただきました。樹木は、同じ樹種でも一つとして同じ姿・形のものはありません。1本の同じ木でも見る角度によって印象が大きく変わります。今回は「アトリウムテラス」の広い空間に大きな3本の樹木が立ち並ぶレイアウトデザインで、樹木そのものの姿が空間デザインを左右する重要な要素の一つでした。そのためお客さまには鹿屋市にあるナーセリー(植物の栽培園)までお越しいただき、お客さま自身で樹木の選定を行って頂く運びとなりました。
ナーセリーではたくさんの樹木の中から、樹種はもちろん樹形・枝ぶり・葉のつき方など一本一本の木をじっくりご覧いただき、そして「赤れんが テラス」の空間コンセプト・デザインに合う樹木をお選びいただきました。
樹木の馴化・養生、施設へ搬入
ナーセリーの樹木の中から選ばれたのは6Mの「ニチダ」2本と、同じく6Mの「ベンジャミン」1本。この3本の樹木を木への負担を考慮しながら馴化・養生して、定温トレーラーにて札幌まで丁寧に移送しました。
一般的に建築工事の中では緑化工事は最終の工程にあたります。本件でも屋内の樹木設置工事を建築物の完成間近の時期に実施しました。当然樹木を入れるための搬入口は制限されており、その開口部には限界があります。搬入口ぎりぎりで建物内に高木を運び入れ、狭い足場を縫うように吊り上げる作業は緊張感のある場面の連続です。もちろん建物を傷つけないよう養生を施し、万全の準備をしていますが、安心安全を第一に、慎重に、そして丁寧に作業を進めました。
プランター内に鉢を収める時も慎重に樹木を吊り上げて樹木の向きを調整し、丁寧に固定作業を実施します。固定作業は多くのお客様が集まる商業施設では重要な作業です。固定が不安定だと樹木の転倒などが生じ、大きな事故につながりかねません。安心安全ため一つ一つ確実に作業を行っています。樹木の固定作業後、プランター周りにベンチを設置しライティング設備を整え搬入は完了しました。
選ばれた樹木を確実に移植・施工
ガラス張りのアトリウム空間ではさんさんと日の光が降り注ぐ昼間の光景と、夜間のライトアップされた空間で印象がガラリと変わります。建物の外からも樹形をしっかり確認できるほど存在感のある樹木は、赤れんが テラスのランドマークとして空間をより魅力的に演出しています。
搬入工程では樹木の負担を考慮しながら速やかに移送・設置をします。季節や移動距離、またそれぞれ樹木の大きさによって搬入の状況は変わりますが、「安心・安全」を常に第一に考えながら施工しています。日比谷花壇では屋内での順調な生育を見据え、お客さまご自身が選ばれた樹木を確実に移植します。